株式会社益田工房東京は、Webサイト、グラフィック、動画制作を手がけるクリエイティブ企業です。
渋谷駅から徒歩15分の国道沿いビル1階にオフィスを構え、アウトドア関連ギアをディスプレイ販売する店舗併設型の空間を実験的に展開していて、ユニークなアイテムや雑誌に囲まれたこのオフィスは、代表の大石さんの温かい人柄も相まって、おおらかで居心地の良い空気が漂っていました。
大石さんからオフィス環境の一新について相談を受けたのは、コロナ禍の真っ只中で、オフィスの立地や物販店舗を併設した運営スタイルの持続可能性を見直すことが模索されていました。「社員や来客者がオフィスに足を運ぶ意味」を問い直しながら、オンラインとオフラインのコミュニケーションの良い在り方を検討し、自分たちらしい働き方やクリエイティビティを反映した空間を構築したい!という希望と期待が合わさりながら、働く環境を自分たちのスタイルとして言語化し、それを新しいオフィスデザインに落とし込むプロジェクトがスタートしました。
プロジェクトの第一歩は、益田工房東京がこれまでの創作活動を通じて培ってきた価値観を掘り下げることから始まりました。このプロセスを通じて現状を把握し、未来のビジョンを明確化する中で、内装デザインの刷新にとどまらず、オフィスの移転を決定しました。移転先の選定では、立地や予算を精査しながら、自分たちらしい働き方とブランディングを両立できる環境を探していくことにしました。
新オフィスは、「クリエイティブでありながら持続可能な価値観の交流」をテーマに企画しました。社員が快適に働けるだけでなく、来客者やパートナー企業との交流が自然と生まれる空間が求められました。また、オフィスを単なる「働く場所」としてだけではなく、新しい価値を生み出す場所として活用するため、物販店舗の併設やイベントスペースの活用も視野に入れた多機能型のデザインも議論しました。
この企画プロセスを通じて、100-SHIKIでは、「自分たちらしいオフィス」の在り方から提案しました。それは物理的に素敵な空間デザインだけでなく、価値観を共有し、コミュニケーションを生み出せる場所であると共に、変化に強い実験場所であり、社員一人ひとりが自分たちのスタイルを発見しながら成長し続ける場所となることを目指す活動全体を空間にするデザインです。